塗炭の苦しみの語源由来

「塗炭の苦しみ」の語源

すごく激しい苦しみの事を「塗炭の苦しみ(とたんのくるしみ)」と表現する事があるよね。日常生活で使う事は滅多にない表現だろうし、できれば使う事がない方が良い言葉ではあるよね。

そんな「塗炭の苦しみ」の語源は、「塗」は「泥水」、「炭」は「炭火」を意味していて、泥水や炭火にまみれているような、ひどく激しい苦しみという事からきているんだ。中国の「書経(仲キ之誥)」という書物の中では、「有夏昏徳し、民塗炭に墜つ(王の不徳により、人民は泥水や炭火に落とされたような苦難を味わった)」という故事が記載されているんだけど、「塗炭の苦しみ」という言葉はここに由来していると考えられているよ。

ちなみに似たような言葉に、「塗炭に墜つ(とたんにおつ)」「水火の苦しみ(すいかのくるしみ)」なんていう表現もあるよ。