ガモフバッグの意味 登山用語

ガモフバッグ

ガモフバッグ(Gamow bag)とは、生理学者であり登山家でもあるイゴール・ガモフ(Igor Gamow)博士によって発明されたものである。携帯型加圧バッグで、人をすっぽり包むことができる大きさの寝袋のようなものに、フィゴまたはポンプで中を加圧することで、標高約1000〜3000m相当の酸素濃度になるという。

高山病(または高度障害)の症状が出ている人は、このバッグの中に1〜2時間ほど入り、外にいる人がポンプを押して加圧する仕組みである。頭痛・吐き気などの初期の高山病(または高度障害)の人は一発で解決できるが、中程度に進行している人は、一時的な効果でしかないので、高度を下げて、もっと高度順化の時間を取った方がいい。

重度に移行している人は、医療関係者の処置が必要になるが、まずヘリが来るまでガモフバッグの中に入れて待機し、ヘリが到着次第、ただちに下山し、医療機関にかかることになる。ガモフバッグと同種のタイプが、オーストラリアのTreksafeというメーカーからPAC(Portable Altitude chamber)が出ており、ポンプ・本体込で8kgという重量である。