懸垂氷河の意味 登山用語

懸垂氷河

懸垂氷河とは、圏谷氷河や氷帽からあふれ出た、または急峻な斜面にある氷河のことである。谷氷河の一部でもあり、懸垂氷河のことをアイスフォールと呼ぶ場合もある。

懸垂氷河は氷雪崩あるいは氷崩落を引き起こすこともある。懸垂氷河は崩落という動的な性質を持つので、なだれる氷河(avalanching glacier)という言葉が使われる事もある。また、氷雪崩が斜面下に堆積した場合は、デブリとなって堆積し、その下に氷河が存在する場合は、更に氷河が厚くなることでもある。

圏谷氷河は下に落ちていくので、その周辺ではクレバスが形成されていることがある。晴天で気温が上がっていると圏谷氷河が緩み、氷雪崩が起きやすくなるので、登山者は慎重にルートを見極めなければならない。

なお、圏谷氷河とは山岳の圏谷を埋める氷河のことで、氷河が全部溶けた後には氷河によって削り取られたカール地形が残される。氷帽とは独立峰の山頂などにできる帽子の形をした氷河である。