周氷河地形の意味 登山用語

周氷河地形(しゅうひょうがちけい)

周氷河地形とは、最終氷河時代に形成されたものである。地表の水分が凍結・融解を繰り返し、岩石を破砕し、土壌中の物質が移動し、なだらかな丘陵ができあがる。周氷河地形はおもに高緯度地域の寒冷地で見られる。

また、土壌はこの凍結・融解作用を繰り返し受けることで、流土現象といい土壌内で対流が発生するのである。もともとは角を持った稜線だったとしても、稜線の角が削られて丸みを帯びたものになり、流土現象で土壌が流れてしまうので、波のようななだらかな丘陵が形成される。

日本では北海道で至るところでこの地形があったが、開発により原型をとどめていないとされる。北海道の宗谷岬の背後に「宗谷丘陵」は周氷河地形が見られるとして有名である。明治時代中ごろまでは、丘陵全体は深い森林に覆われていたが、あいつぐ山火事により森林が失われてしまい、現在は笹と低木に覆われている。平坦な丸みを帯びた丘陵が、まるで波地形のような感じで見ることができる。