台湾坊主
台湾坊主とは、日本列島南岸で発達しながら東に進んでいく低気圧のことで、南岸低気圧(なんがんていきあつ)ともいう。台湾沖で発生し、天気図状では低気圧の周辺の等圧線の形が坊主の頭に似ていることから、昔は台湾坊主と呼ばれていた。
2月〜3月に発生することが多く、日本列島に寒気をもたらす。南岸低気圧は日本列島南岸付近で最盛力になり、進行方向の東側では温暖前線、西側に寒冷前線が形成される。温暖前線付近では強い南風に伴う気温上昇と雨をもたらし、寒冷前線付近では強い北風に伴う気温低下とまとまった雨をもたらす。太平洋側に大雪を降らせ、時には季節外れの降雪をもたらすのはこの低気圧が原因である。
この低気圧は時には、台風並みの勢力になり、日本列島に被害をもたらすこともある。1970年には、中部から北海道にかけて暴風・大雨・波浪を発生させ、各地に大災害をもたらし、死者・行方不明者25人、住宅被害5000棟以上、船舶293隻の被害が出ている。この低気圧はさらに発達し、爆弾低気圧になっている。