池塘(ちとう)
池塘とは、湿原が高層湿原の段階にある時、堆積した泥炭層のなかに、水が入り込むことによって、池(沼)が形成されることがある。湿原には大小さまざまな、水深も深いものから浅いものまで、形も丸いものからひょうたん型などと、たくさんの池が点在しているのを見ることができるが、これらの池(沼)を池塘というのである。
これらの水辺はその地域に生息する生物にも貴重な水源となっており、ひつじ草などの草花や、サンショウなどの生物が見られる。池塘の成り立ちはさまざまであるが、ひとつは川が蛇行して流れていたところに火山活動などによる土砂の堆積によって流れを堰き止められて沼や池になったもの、もうひとつは湿原地のへこんでいる部分に周囲から水が流れ込む、あるいは湧き水によって池が形成されたもの、などがある。
池塘は湿原があれば見ることができるが、湿原のひとつとして有名な尾瀬ヶ原は約1800個もの池塘があることが最近の調査で確認されている。