登山条例
登山条例とは、地方自治体によって制定された、山岳事故防止(遭難事故防止)のための条例。群馬県の「谷川岳遭難防止条例」富山県の「剣岳登山届出条例」が代表的である。
この条例では、危険地区の設定、登山届けあるいは登山計画書の提出の義務付けなどが制定されている。「谷川岳遭難防止条例」は1966年に制定された。1966年の制定当時、455人もの登山者が命を落としており、1966年だけで37人の登山者が亡くなっている。条例が制定された1966年当時は、登山経験が未熟で、十分な登山計画や山岳装備を持たずに入山する登山者が多かったことと、天候の急変など様々な原因で遭難者が多かったことが、条例制定のきっかけとなった。
一ノ倉岳から南面の山域を登山危険地区と位置づけており、冬山期間は登山を禁じている。また、例年3月1日〜11月30日の間に危険地区に登山する場合、登山届または登山提出書の提出が義務付けられている。一般コース登山者は登山カードを提出する。冬山期間は12月1日〜2月末日の間。冬山ではなくても、その年の積雪状況にとっては3月〜5月も登山禁止措置がとられる。提出義務を怠った場合、書類送検のうえ、罰金が課せられる。「剣岳登山届出条例」の場合は登山届あるいは登山計画書の提出を勧告で義務付けておらず、谷川だけほど厳しくない。