薙の意味 登山用語

薙(なぎ)

薙とは、山崩れによって運ばれてきた岩や小石がゴロゴロ転がっている場所のこと。岩は土砂の色から赤薙、白薙、黒薙などということもある。自然に崩壊したもののみ「薙」と呼び、人為的に発生したものは含まれない。ガレ場ともいう。

高山の稜線(尾根)や沢の源流に多く堆積しており、目印に従って、コースを歩くようにする。登山道を外れると不安定な道が多くなる。この場所では落石に気をつけるようにし、万が一、自分が石を落してしまった場合は「落石!」と言って下の人に教えるようにする。落石を起こさないようにするためには、ぐらぐらしている浮き石は避けて、大股ではなく小股で、石を捉えるようにして歩く。

ちなみに、山名に薙がつく山があり、ひとつは栃木県の日光連山のひとつ赤薙山があり、もうひとつは南アルプス周辺で、静岡県の青薙山である。青薙山のほうは、畑薙ダム(人造湖)やボッチ薙ぎという場所があるくらい、自然崩落が多い山である。地形と地質から自然に崩落しやすいのである。