ナンバ歩きの意味 登山用語

ナンバ歩き

普段歩くときは、右足と左手、左足と右手と、同じ側の手足が同時に動くことはなく「対」で動く、一本の軸を中心にして歩くもの。

これに対して「ナンバ歩き」とは、右手と右足、左手と左足、と同じ側の手足を動かしながら歩く技術であり、体の重心が左右にぶれるので二軸歩行ともいう。この方法は足まで重心をかけることなく移動するので足の筋肉に頼らずにすむ。つまり、足の力ではなく、体の揺れで生まれる推進力を生かして進みたい方向に進むというもの。

登山中に傾斜などがきつくなると膝に手を無意識に当てていることがあるが、あれもこの行為で推進力を生み出していると言われている。登山においては体力をできずだけ温存する省エネ型の行動が推奨されるので、ナンバ歩きがいいといわれるのはそういった所以である。この歩き方は、江戸時代の飛脚(郵便配達人)がナンバ走りによって一日数十kmも走ることができたとも言われているが、当時のナンバ歩きあるいは走りについての資料が残っていないため正確な動作は分かっていない。