ピオレトラクションの意味 登山用語

ピオレトラクション

ピオレトラクション(PioletTraction)とは、フランス語であり、英語のダブルアックスと同じである。氷壁を登攀する技術のひとつである。

1970年代にフランスの登山家ワルター・セキネルが開発したといわれている。日本では、遠藤甲太氏が1973年に谷川岳一ノ倉沢・αルンゼを冬季単独初登したときに、日本で始めてピオレトラクションのスタイルで登攀したといわれている。ピオレトラクションとはピッケル(アックス)とアイスバイルを両手に持ち、交互に氷壁に突き刺し、これで体を支えているときに、アイゼンの前爪を氷壁に蹴り込んで体を引き上げる、スタイルである。この動作を繰り返して氷壁を登る技法。現在では氷壁登攀(アイスクライミング)はピオレトラクションが主流になっており、ピッケルも氷壁登攀用に柄とシャフトがカーブしているものがあり、より氷壁に刺さりやすくなっている。

またアイゼンの前爪も氷壁登攀用に縦についているので、氷壁に引っ掛けて上れるようになっている。ただし、腕の力で上るのではなく、あくまでも足の力で登る。