膝が笑う
膝笑うとは、疲労により足ががくがく震えることをいう。登りでは膝は疲れないが、下りで膝が疲れることが多いのは、下りの時の足の使い方に原因がある。
下りで膝でブレーキを掛けながら、重力にひっぱられるに従って大股で歩いていると、膝が疲れやすくなる。大腿部(太もも)には大腿四頭筋群(内側広筋、大体直筋、中間広筋、外側広筋)によって構成されており、内側広筋と呼ばれる筋肉は太もも裏側にある。この筋肉が一番に反応して瞬発力があり、一方ではそれだけエネルギー消費が大きい。
この筋肉が疲れると、膝関節を支えることができなくなり、その結果、膝がガクガクするようになる。登山に備えて普段からトレーニングして筋力をつけておくのはもちろんのこと、下りの足の運びかたにもコツがある。下りでは、軽く腰を落として膝を曲げた状態のまま小幅で歩く。この時、足裏は常に地面と平行にして歩くようにするのがコツで、この方法では足首を曲げたままにしておくことができる。
着地するとき、足裏全体で着地するようにすると、つま先もかかとも同時に着地できるので、歩幅が大きくなるのを防ぐことができる。ペタペタ歩くような感じになる。逆に、つま先やかかとを蹴るような感じで着地すると、歩幅がどんどん大きくなり、疲労が増す。体の使い方ひとつでも疲労を軽減できる。