風衝地(ふうしょうち)
風衝地とは、山頂や尾根で強風が吹き付ける地帯のこと。絶えず強風にさらされているため、土はなく、小石や岩が多い地帯でもある。冬期は雪が降っても風に飛ばされて積雪できないため、地表は凍結し、ときにはマイナス20度という低温になることもある。
登山で風衝地を歩く場合、足元が岩場で安定しないので、強風にあおられて転倒しないよう注意が必要である。登山前に、麓で強風を感じた場合、山頂や稜線上ではさらに強い風が吹き付けているので、登山を中止する判断も必要である。
一方、風衝地とは対照的に、風下側のくぼ地などには雪が大量に積雪しやすく、この場所を「雪田」という。50cm以上の積雪になると地表は雪による保温効果で、凍結することはない。高山では、風衝地と雪田には過酷な自然条件に耐えて植生する高山植物がある。また、それぞれの場所は登山道にも設定されていることが多く、登山者の急増により植生が破壊されているなど、自然の生態系に影響を及ぼすようになってきている。