伏流(ふくりゅう)
伏流とは、沢や川の水の流れが、ある地点にくると川底を通るようになり、その区間は水が流れていないので、地上は涸れ沢になっている。またこの水流のことを伏流水と呼ばれる。
穂高岳の涸沢カールは谷底に位置するが、雪解け水などは涸沢カールの手前で伏流するので涸沢カールの地表は水はないが、地中に伏流水が流れている。涸沢カールには涸沢ヒュッテと呼ばれる山小屋があり、近くにキャンプ場があり、登山者がテントを張って幕営することが多い場所である。涸沢ヒュッテでは涸沢カールの伏流水を取り入れているので、水資源が近くにない山小屋に比べると、使える水量が豊富ともいわれている。
なお、涸沢ヒュッテでは水道の水は伏流水なので、無料で汲むことができ、登山者はこの水を汲んで持ち帰ったり、登山中の水分補給で飲むことができる。火山灰質、石灰岩質の場所では水が地中に浸透して伏流水になる。地中で自然にろ過され、一定の水質が保たれるので、地中のミネラル分を含んだ水になる。