ブラキストン線
ブラキストン線とは、本州と北海道の間(津軽海峡上)に引かれた生物分布境界線のこと。1880年代、イギリス人のトーマス・W・ブラキストン(Thomas Wright Blakiston)によって提唱され、ブラキストンの名をとってブラキストン線(ブラキストン・ライン)と呼ばれている。
ヒグマ、エゾシカ、エゾリスなどはブラキストン線が南限であり、ツキノワグマ、ホンドシカ、ニホンザルなどはブラキストンラインが北限である。これは、ヒグマやエゾシカ、エゾリスは本州では見られず、反対にツキノワグマ、ホンドシカ、ニホンザルなどは北海道では見られないことから、津軽海峡を境界線として考えられたのである。
かつて氷河期時代には現在の津軽海峡は海面が100〜140m低下し、北海道と本州が陸続きだった時代があり、この時期に人や動物は行き来していたが、やがて氷河期が終結し、海面が上昇するにつれて、人や動物の行き来はなくなり、独自の生態系が出来上がったとされている。なお、かつては北海道にはゴキブリはいなかったが、青函トンネルを通ってゴキブリが北海道に出現するようになったとも言われている。