ボナッティの意味 登山用語

ボナッティ

ワルター・ボナッティ(Walter Bonatti)は、1930年イタリアのベルガモに生まれ、1950年〜1960年に活躍したイタリアの登山家。18歳の時に本格的に登攀をはじめ、1949年にはアルプス三大北壁のひとつ、グランドジュラス北壁の登攀に成功し、登山界にデビューした。

1954年、24歳の時に、K2登攀イタリア隊のメンバーに選ばれるが、ボナッティの才能を妬む登山隊チームメイトたちの妨害にあい、イタリアに帰国後、非難を受ける事になる。この名誉を回復するのは半世紀後のことである。その後もさまざまなルートを開拓し、1963年にはグランドジュラス北壁の冬季初登攀に成功、1965年のマッターホルン北壁の冬季登攀後、35歳にして登山界から引退する。

その後は縦ではなく、水平の冒険の世界に転身し、当時の雑誌『エポカ』と中心とする雑誌に記事を投稿する、秘境ジャーナリストとして成功を収めている。ボナッティの技術と才能と妥協しない姿勢はたびたび周囲の妬みを買うことが多かったが、ボナッティのアルピニズム精神はのちにつづく、ラインホルト・メスナーなどに継承されていく。2011年、がんで81歳で死去。