山開きの意味 登山用語

山開き

山開きとは、その年で、初めて登山者に開放することを、山開きという。現在はスポーツ登山としての山開きである。スポーツ登山が始まる前は、信仰登山が主流で、霊山を期間限定で信者に開放していた。

古くは、山岳は神聖視され、神々が住む地とされ、山岳は神々との交流が可能な場所とみなされてきた。したがって山岳に入山するものは、信仰登山の他は、猟師などが生業の場としていた。稲作農耕を行う人々にとっては、山岳は水源地でもあることから、山岳を水分の霊地とみなし、山麓には神を祭る里宮、山宮などが設けられ、神がいるとされる山地にみだりに入山してはならないとされた。

現在では、これらの山岳信仰は衰退し信仰登山を行う人は少なくなり、現在の山開きとは、山開き時期以外は入山禁止といった決まりはなく、登山に適した時期になったという意味で行われている。登山は天候に左右されるが、基本的には1年中登山可能なのである。ただ、富士山では、夏山と冬山では様相が全く異なるため、冬山はプロ登山家しか受け入れていない。