山笑うの意味 登山用語

山笑う

山笑うとは、春になると木々が一斉に芽吹き始め、冬眠していた動物たちも活動し始めるなど、山の雰囲気が明るくなり、まるで山が嬉しくて笑っているように見えることから、山笑うという表現が生まれた。俳句の季語である。

夏は「山滴る」…まるで水が滴りそうなほど緑が美しい夏山の様子を、秋は「山粧う」…木々が紅葉して色とりどりに飾っているかのような秋山の様子を、冬は「山眠る」…木々は葉を落として動物たちは冬眠していて積雪していて静かな冬山の様子、と四季を表わしている。

これらの表現は、中国の北宋時代の画家である郭煕の著書「臥遊録」から引用されている。『春山淡冶而如笑 夏山蒼翠而如滴 秋山明淨而如粧 冬山慘淡而如眠』(原文は漢語)とある。「しゅんざんたんやとしてわらうがごとく、かざんそうすいとしてしたたるがごとく、しゅうざんめいじょうとしてよそおうがごとく、とうざんたんさんとしてねむるがごとく」と読む。現代でも変わらない山の表情である。