雪窪(ゆきくぼ)
雪窪とは、雪の浸食作用によって地表が凹んだところをいう。積雪した雪が長く残っている場所や残雪・越年性雪渓の周りでは、雪の凍結・融解の繰り返しにより地表の土砂や岩石が削り取られて石片などが作り出される。
この残雪や越年性雪渓からの雪融け水が、やがて土砂や石片を運び出し、この時の摩擦によって地表が削り取られて浅い凹みができあがり、これが雪窪と呼ばれる。雪が残りやすい地形では地表が絶えず削り取られているため植生が発達できず、更に窪みが深くまたは大きくなる。
この雪窪には、雪融け水や雨水が溜まって池となり、自然に池塘が形成され、やがては湿原を形成することにもつながる。実際に名前を知られている湿原の中には、現在の形になるまで長い年月を経ているが、元は雪窪の形成から発展したものが多い。なお、夏期まで残雪が残る地域は、北アルプスや東北・上越地方の日本海側の山に集中しており、冬期に大量の降雪による平均3〜5メートル以上もの積雪になる豪雪地帯が多い。