裸地の意味 登山用語

裸地(らち)

裸地とは、植物が生えていない地面や場所のことをいう。絶えず強風に晒される風衝地などのように自然によって裸地が形成されるものもあれば、人間が歩いた踏み跡で植物が育たなくなり裸地化が見られており(オーバーユースのひとつ)、近年ではシカが増えていることによりシカによる食害で裸地化する現象も広範囲で見られるようになっている。

裸地では、植物が生育できないため、雨が降った場合に、木がある場所のように地下に浸透して涵養されることなく、地表を流れやすく、土砂が流出する一因ともなっている。集中豪雨が降った場合には、土砂崩れが発生しやすくなる。人間による踏み跡で裸地化するのは、登山道を歩かず、道を外す登山者がいるからである。この踏み外しにより、登山道周辺の植生が傷み、土砂が流出しやすくなっている問題が生じている。ストックなどの過剰な使用も、木の根などを傷める原因にもなっている。シカによる食害は、天敵(オオカミ)が人間によって根絶やしにされてしまったことによる。シカの好物はやわらかい新芽とされている。風衝地以外の裸地化は人間が招いている。