U字谷の意味 登山用語

U字谷

U字谷とは、氷河の浸食によって形成された地形で、地表が氷河によって削り取られてU字状になった谷のことをいう。U字谷はアルプス山脈(ヨーロッパ)、ロッキー山脈(北米)、ヒマラヤ山脈(中央アジア)などの山岳地帯で見られる。

最終氷河期は約1万年前とされており、その時点では、U字谷となった場所は、場所によっては本流の氷河に加え、複数の氷河の支流が合流し、かなり巨大な氷河を形成していたと見られる。また、氷河の厚さは100mにも達し、氷河は傾斜に沿って少しずつ動いており、その動きとともに氷河底(地表)の土砂や岩石は削られ、あるいはさらに上流から運ばれてきて堆積しモレーンを形成した。U字底が平らなのは、氷河自体かなりの重さがあったため、長い年月地表に氷河が存在していた間に圧力で平らになったのである。

一方で周囲の斜面も氷河によって削られたため急な崖になっている。最終氷河期の終了後、海面は上昇し、U字谷に海水が入り込み「フィヨルド」を形成した。横幅は一定で両斜面が切り立っており水深が急なのがフィヨルドの特徴である。フィヨルドは、ノルウェー、デンマーク、アイスランド、カナダ、ニュージーランド、チリで見られる。