勤務時間前の掃除は労働とはみなされない?
職場のオフィスは、専門の業者さんが居ない場合は、社員が掃除をしますね。
仕事場の環境を気持ちよく整えるための掃除はとても大切なことだと思います。職種や環境によって、毎日の所もあれば、週1回など、清掃の頻度はまちまちでしょうが、みんなで行っても、いくらか時間を取られることでしょう。
仕事を気持ちよく始めたい、ということもあるのか、掃除の時間は勤務開始の前、という会社も多いようです。「今日は掃除当番だから、早く出勤しなきゃ!」なんてこともあるかもしれません。
さて、この「勤務開始時間前の掃除」は、労働にみなされるのでしょうか?
「仕事場の掃除をしているんだから、仕事に関係あることだ。当然、労働になるだろう。」
「勤務開始時間より前に始めているんだから、労働にはならないんじゃないか?」
どちらにも一理ありそうですね。この場合、判断の基準は、「指揮・指導の有無」が大きなポイントになります。
職場の清掃であっても、社員相互の自発的な行動で、自主的に行われているものの場合は、労働にはみなされません。公園や海岸などで行われるゴミ拾いのボランティア活動と同様な扱いとなります。
反対に、会社の方針として、一部、または全部の社員持ち回りなどで、社屋の掃除を行わせる場合は、労働と判断されます。会社の指揮・指導の下で、業務の一つとして清掃をしている、という判断がされるわけです。当然、会社の仕事ですから、勤務開始時間前だったとしても、タイムカードを押してから掃除開始、となり、その分の時間も賃金の対象になります。
こうした場合、しばしば問題になるのが、「会社の指導で、タイムカードを押さないで清掃をしている場合」です。厳密に言えば、会社側が清掃するよう指示を出して、更にタイムカードを押さないように、と言うことは違法になります。勤務時間に含まれないのは、あくまでも、社員の自発的行動の場合に限られます。