パートでも一日8時間を超えたら割増賃金が支払われる

パートでも一日8時間を超えたら割増賃金が支払われる

お子さんをお持ちのお母さんたちが、外で働くときの雇用形態は、圧倒的にパートタイム勤務が多いですね。学生さんは「アルバイト」、奥様は「パート」と呼びならわしていますが、つまり、どちらも「短時間労働」ということでは意味が変わりません。パートの定義は、パートタイム労働法で「1週間の所定労働時間が、通常の労働者よりも短いもの、または、労働日数が少ないもの」ときめられています。法律上は、どちらも「パートタイム労働者」ということになるんですね。

1日の労働時間や、週の労働時間が短くなる分、パートやアルバイトには、有給休暇規定や、社会保険などについては、正社員よりも待遇面では下がるという面がある一方で、ワークライフバランスを考えたときには、仕事と労働を両立させやすいという面もあります。多くのママさんパートの方々は、お子さんの下校時刻に合わせて帰宅を希望するなどは、そうした面の現れでしょう。

さて、法律で定められた1日の労働時間の上限は、8時間となっています。パートやアルバイトのような、短時間労働者が本来の契約で決められた時間を越えて労働した場合、8時間までは割増賃金の適用はありません。これは、「法定内労働」ということになって、8時間までは、法律上の時間外労働とは認められないからです。この場合は、通常の時給と同額の計算で算出されます。

しかし、8時間を超えて労働する日があった場合、その、8時間を超えて働いた時間分は、「時間外労働」に該当します。その分については、割増賃金の対象となります。「パートだから」「アルバイトだから」といった、雇用形態の違いは関係ありません。労働基準法では「労働した分だけ、賃金を払わなくてはならない」というルールがあり、更に、時間外手当に関する法律の条文には、「パート、アルバイトは対象外とする」といった規定はありません。雇用形態の違いは関係なく、労働した時間に応じて、全額を払ってもらうことができる、ということになります。