年次有給休暇の仕組み

年次有給休暇の仕組み

俗に「有給」と呼ばれる、年次有給休暇。「休みなのに給料がもらえる」として、サラリーマンを始めとする労働者の皆さんには歓迎されている一方、「たまるばかりで、ちっとも消化できていない、利用しづらい」などの問題も含んでいます。また、有給のほかに代休などのお休みもあり、休みの日の仕組みは、ややこしく感じますね。

労働基準法を見てみると、「働く人の休暇」については、細かい規定がされていることが分かります。

有給休暇、とは正しくは「年次有給休暇」といいます。名前に「年次」がついているように、「年間あたりに〇日」というように与えられる日数が決まっている形となっています。

まず、有給休暇は、仕事に就いたばかりではもらえません。

最初の有給発生は6か月目からで、それも、公休日など所定の休日を除いた勤務期間中、全体の8割以上を継続して勤務した場合、付与される決まりとなっています。

最初に発生する有給の期間は、10日間です。その後は、勤務を続ける期間に比例して、日数が伸びていきます。雇い入れから2年6か月を過ぎると11日が付与され、3年6か月を経過すると、年間の付与日数が2日づつ加算されると決められています。
勤務を継続すると、6年半で20日が付与されることになります。

反対に、お盆やお正月のような、「日本全国が休み」という時期には、改めて言われなくても有給を与えるということができたほうが、雇主にも労働者にもありがたいですよね?そんな場合には、雇主側は労働者とあらかじめ協議(話し合い)をして決めた時期に、有給休暇の内5日以上の部分を、計画的に付与することができる、というルールも決められています。これを、「年次有給休暇の計画的付与」と言います。
この場合、一度、「この日は有給にします」と決定した後は、その後状況が変わっても、雇主も労働者も、日付の変更ができない決まりになっています。