変形労働時間制とは

変形労働時間制とは

労働基準法では、労働者の健康を損なわないために、1日の労働時間の上限を8時間、1週間の労働時間の上限を40時間と決めています。けれども、現代ニッポンはスピード時代です。街に出れば、24時間営業のコンビニや喫茶店もあれば、昔ながらの新聞配達は、早朝と夕方だけに仕事が集中します。工場労働者の方々の中には、三交代制勤務で働いている方もいらっしゃることでしょう。仕事によっては、1年のうちに、繁忙な時期と、暇な時期が極端というケースもありえます。個々の業務内容によって、個別事情によって「1日8時間、1週間40時間」というルールにマッチしないことがあるわけです。

だからといって、残業を増やすことには一定の制限があり、忙しいからと言って労働者に無理を強いればサービス残業や、違法労働の横行につながります。また、時間外手当(残業代)があまり増加すれば、雇主にとって負担が大きくなります。

こういう問題点を解消するために採択されるのが、変形労働時間制です。
変形労働時間制では、労働時間に弾力性を持たせることを目的にしたもので、一定の期間を定めた中で、労働時間の配分を調整することができるようになります。これによって、「忙しくない季節は、仕事時間を短く、繁忙期は長く」とか「朝と夕方だけ勤務、昼間は休み」といった形での労働が可能になるというわけです。変形労働制の目的は、「労働時間の短縮化」ですから、労働時間に幅を持たせることで、年間で見たら、残業が減っている、というのが最も理想的な状態とも言えます。導入には、「1か月単位」「フレックスタイム制」「1年単位」「1週間単位」の種類別があり、このいずれかを導入することになります。

変形労働時間制の導入については時間外労働と同様に、労使協定を結んだうえ、就業規則の手続きを行って初めて導入が可能になります。

変形労働制は18歳未満の適用には制限があります。妊産婦についてもフレックスタイム制を除いて、法定労働時間を超えてはならない規制があります。また、労働者の介護や育児についても負担にならないよう雇主に配慮義務が求められています。

変形労働時間制では、月間の時間外労働の制限が、通常の労働時間制よりも厳しくなっています。これは、変形労働時間制を装った違法労働を防ぐ意味もあります。