変形労働時間制のメリット・デメリット

変形労働時間制のメリット・デメリット

変形労働時間制とは、法定労働時間8時間、1週間の所定労働時間40時間、という枠を「変形」させることで、「忙しい時期は1日10時間労働、暇な時期は1日5時間労働」「朝と夕方に3時間ずつ仕事、昼間は自由時間」「夜勤の日は6時間勤務、日勤の日は9時間勤務」のように労働時間を流動的にすることも可能になります。

変形労働時間制の一番のメリットは、業務の実情に応じた労働時間の配分が可能になることです。
分かりやすい一例が、国際線勤務のパイロット、パーサーやキャビンアテンダントさんたちでしょう。時差のある勤務で連続して13時間とか、20時間などの長時間働いた後、3日間のレイオーバー、といった形の勤務は変形労働時間制が無ければ成り立ちません。

また、変形労働時間制を導入することで、雇主は時間外手当の節約や労働集約ができるようになり、より、効率のよい労働力の活用が可能になります。

労働者の方は、変形労働時間制の導入により、結果的に労働時間を短縮することができるようにもなり、無用な長時間の残業を行う必要がなくなるという面もあります。フレックスタイム制では、出勤時間をずらすことで、混雑を避けて出勤できるなどの良い面もあります。

しかし、変形労働時間制にはデメリットもあります。雇主側にとっては、制約が多く、合法的な運用をしようとすると実情にそぐわないことが多い点が挙げられます。労働法に慣れていない人が運用しようとすると、見落としが多く、結果的に無意識に違法労働を労働者に強いてしまうケースがかなり多いです。十分な検討と、調査、準備が必要な面があり、使いづらい、という意見もあります。

また、介護や育児をしている人には配慮義務が設けられているにもかかわらず、実際は変形労働時間制を言い訳にして雇主の横暴を押し付けるケースがないわけではありません。多くのブラック企業が変形労働時間制を偽って、実際は残業代カットを行っていることで分かる通り、違法労働の隠れ蓑にされやすいという問題点もあります。変形労働時間制は、個別の事業所ごとに詳細な検討を行わないと運用実態が合法であるか分かりにくいという点があります。怪しいと思ったら、最寄りの職業安定所に相談してみることが結果的に自身の労働環境を健全に保つことにつながるケースが少なくないようです。