出産前と出産後の休業ってどれくらいの期間あるの?
妊娠、出産は女性の生涯でも大きな仕事です。出産が可能な年齢は生涯の内で決して長い時間ではありませんし、同時に人生の中でも、とても忙しく充実している年代とも言えます。女性の社会進出が目覚ましい21世紀では、働きながら、妊娠、出産、育児を行う人は非常に多くなりました。こうした背景も含めて、労働基準法を始めとする労働関連法では、「働きながら安全に出産ができるように」という観点から、「産前・産後休暇」という仕組みを作っています。
妊娠期間の後期(32週すぎから分娩まで)に入ると、妊婦さんのお腹は本格的に大きくせり出してきて、体のバランスが変わり、座る、立つ、歩くといった動作も気を使うことが増えてきます。うっかり転倒したりすると、大変心配なことになってしまいますし、精神的にもストレスをあまりかけないことがとても大切です。
また、この時期に入ると、分娩が早まる可能性も高まってきますから、入院準備や分娩後の育児のための支度、分娩施設の予約などの準備や手続きも必要になってきます。
そこで、労働基準法では、出産予定日の6週間前から出産予定日までの期間、産前休業を取ることができます。これは強制ではなく、妊婦である労働者が希望すれば働くことはできます。しかし、休みたいと請求があった場合は雇主は妊婦である労働者を休ませなくてはならない義務があります。もし、赤ちゃんが双子だった場合は、出産予定日の14週前からの産前休業が認められています。
出産後は、雇主は労働者に8週間の休業を与える義務があります。産後6週間までは、必ず休ませなければならず、産後7週間目から、8週間目については、医師の許可があり、労働者が希望した場合は仕事をさせてもいい、という形になっています。
産前休暇と産後休暇は、休暇の性質が違うことから、法律上の取り扱いは別々のものになっています。多くの場合、産後休業に加えて、育児休業を取得することが多く、連続した休みのよううに思われていますが、それぞれ法律上は別々の休みとなっています。