理由が知りたい!なぜ内定取り消しが発生するの?

理由が知りたい!なぜ内定取り消しが発生するの?

内定取り消しとは、一般には、「一旦、採用通知を受け取った企業から、採用の予定を取り消されること」を指して、そのように呼びます。つまり、簡単な言い方をすると「ウチに来てもらおうと思っていたけれど、やっぱりやめた。」ということです。

断られる方にしてみれば、「これで、働いて食べていける。」という安心感から、一気に、再び就職活動をゼロから再開しなくてはなりません。しかも、多くの企業が募集を締め切りつつある、「出遅れた」状態の中からの再スタートであり、非常に不利になります。学友がどんどん、就職先を確定している中、精神的にも穏やかでいられない部分もあるでしょう。

内定、と言われると、「まだ入社していないんだから。」という考えが企業側にもあるようです。しかし、実は、内定取り消しは、労働基準法に当てはめると、解雇と同じ扱いとなります。従って、内定取り消しに関しては、安易な理由で気軽に行うことではありません。労働基準法では解雇について、厳重な制限を設けて「正当な理由がなければ行えない。」としているのと全く同じことで、内定取り消しにも、正当な理由が無ければ行ってはならない、という決まりになっています。本来的には、内定取り消しになった場合、相当に深刻な理由であるとか、募集時に書かれた条件に当てはまらなくなった、というような、根本的な原因があるはずです。

具体的には、応募時に提出した履歴書に嘘を書いたような場合は、その内容が労務の提供に影響があるような場合はダメでしょう。「英検2級以上」「簿記3級以上」などの条件に対して、実際に所持している資格を偽って書いた場合などは完全にアウトです。しかし、趣味の欄に、「サイクリング」と書いておきながら、実際は学校と駅の10分程度を毎日走るだけ、読んだことのある書籍に哲学書のタイトルを書いておきながら、実際は「漫画で読む××」といったもので読んだだけ、といった場合は嘘は嘘でしょうが、労務の提供にはあまり影響はありませんから、内定取り消し理由にはなりません。

逆に「卒業見込み」と履歴書に書いて置きながら、単位不足や家庭事情などで卒業ができなくなった場合、要普通免許の条件で、「教習所卒業見込み」で応募して内定したものが、入社までに免許取得に至らなかった、といった場合は、募集の条件に当てはまらなくなったということで、内定取り消しの事由となり得るでしょう。しかし、このような場合でも、企業側の温情で1年遅れで入社させてもらえる場合や、免許取得まで入社を遅らせて貰えたり、入社後、卒検を経て免許取得に至る場合なども無いわけではありません。