労働基準法に交通費の支給を義務付ける規定はない
突然ですが、あなたの勤務先、交通費は出してくれていますか?
「かかっただけ、全額出してくれてるよ。」「えっ?1円も出てないよ??」「上限が決まっていて、その範囲を超えた分は自己負担で…」「公共交通機関を使ってる人は定期代で、マイカー通勤の人はガソリン代」
ずいぶん色々なパターンがあるものです。それにしても、てんでんばらばらですよね、こんなに差があって、法律には触れないのでしょうか?ちょっと見た目には、0円のところと、全額出しているところでは万単位の金額の差が出てくることでしょう。働く上で通勤は必要不可欠なのに、交通費が出ないなんて、何だかおかしいと思う方もいらっしゃるかもしれません。
実は、労働基準法では、労働者に対して交通費を支給する旨を定めた条文がありません。ですから、交通費は「払ってくれなくて当然」であり、むしろ、全額出してくれるなんて言う会社の方が恵まれているということになるのです。
従って、就業規則などで交通費の規定を定めていない場合は、交通費を支給しないことは違法には当りません。就業規則で払う定めをしているにもかかわらず、支給しない場合は、法律違反という判断になります。
会社によっては、「正社員には上限ありで交通費支給、パート、アルバイト(短期雇用)には、交通費の支給ナシ」といった内部規定を定め、就業規則としているところもあります。これも、一見すると、「同じ仕事をしているのに、なんだか差別的。」と不公平感を感じる向きもあるようです。でも、 これも違法ではなく、給料既定の違いがあると言うだけのこと。前述のように、交通費はオマケ的な存在であって、出してくれなくても法的に問題はありません。
派遣社員に関しては、ちょっと事情が異なり、派遣先の会社の就業規則ではなく、派遣元の契約内容によって、決められます。ですから、場合によっては、「派遣先のアルバイトは交通費支給ナシ、派遣社員は交通費を貰っている」という場合も無いとは言えません。