勤務態度が悪いことを理由に解雇されるのは違法?

勤務態度が悪いことを理由に解雇されるのは違法?

会社の上司から、トントン、と肩をたたかれたと思ったら、「キミ、来月から来なくていいよ。」なんて突然言われて納得できず、「何が理由ですか!?」と尋ねたら「キミ、勤務態度が悪いから。」なんて、あっさり返事が。

そんなの承服できるかっ!と、断固戦う決意を固める方は、おそらく、多いのではないかと思われます。
「勤務態度が悪い」ことを理由に、解雇を行うのは違法にあたるのでしょうか?

これは、それぞれの事例によって判断が分かれるところのようです。一口でまとめると、「勤務態度が悪い」ということは、解雇の正当な理由にもなり得ますが、正当か違法かを決定づけるのは、「雇主側の態度」がポイントとなります。

例えば、勤務態度が悪いということを雇主側が感じながらも、特に注意や懲戒、教育などを行わないでいて、ある時突如として解雇を申し渡したケースでは、「勤務態度が悪いことを知りながらも必要な措置を怠った。」として、雇主側の主張を退け、解雇を無効とした判決が出ています。

一方で、同じように勤務態度が悪く、問題行動が目立つとされた社員に、繰り返し、教育や業務に必要な研修、指導を行い、勧告などを繰り返したにもかかわらず、その態度が改善されず、最終的には、数か月の期限を設けて、期日までに態度を改めて勤務するようにと言い渡した例もあります。このケースでは、労働者側が度重なる注意勧告や指導にも、その態度を改めることが全くなく、最終通達ともいえる期限を決めての勧告の際は、投げやりな態度で反省の様子さえ見受けられなかったことから、解雇もやむなしと雇主側の全面勝訴に終わりました。

これらの2つの例を見ると、解雇の理由が勤務態度の悪さである場合でも、それだけでは正当な解雇の理由に当たるとは判断されず、解雇を決定づけるまでには、繰り返し、注意勧告や、社員教育、時には配置転換などの方法で、引き続き雇う努力をした上で初めて解雇が認められるのだということが分かります。