正社員並みのパートには正社員と差別的に扱ってはいけない

正社員並みのパートには正社員と差別的に扱ってはいけない

奥様方の仕事の仕方で一番多いのがパートですね。近くのスーパーやコンビニのレジ打ちや品出し、あるいは事務員や工場での作業など、業種や内容は様々であっても、正規社員よりも短時間で終わる仕事の場合は、全て「短時間労働者」という扱いになります。短時間労働者の場合は、一般に正社員よりも待遇が下がり、勤務時間数によっては、健康保険に加入ができないなど、社会保障面でも、やや、不利な面があります。会社によっては、福利厚生施設や休憩室の利用を制限していたり、賞与の額が少ない、時給月給である、などの賃金面での不利益もあります。

本来的には、労働時間が短いのがパートタイマーの特徴です。また、雇用期間が決められている場合(期間社員など)は、その雇用期間が満了したのちは、その都度、契約更新をする必要があります。

ところが、当初は契約期間が決まっている、という状況が、更新を繰り返すうち、契約期間の定めがはっきりしなくなる、というケースや、契約期間は最初から決まっていない場合があります。仕事の内容に於いても、残業についても正社員同様、配置転換、転勤もあるとなれば、これらの場合は、身分はパートとなっていても、労働時間が短いこと以外は、正社員と変わりません。こういう人たちを「正社員並みパート」と呼び、「パートだから」という意味で正社員と差別することは、労働法上禁止されています。

2008年にパートタイムの人たちに関する法律である、パートタイム労働法が改正され、正社員並みパートの待遇改善が図られるようになりました。これによって、正社員並みパートの人に対しては、賃金面でも時給ではなく能力に応じた支払いを雇主に努力義務として義務付けられるほか、社会保障や勤務時の待遇改善などの面でも正社員と差別することを禁じています。

ただし、これは、短時間労働で期間の定めなく働くパートさんが対象です。期間がきめられていてるパートさんや、最初からフルタイムで働くパートさん、派遣労働者の方については取り扱いが別になります。