アルバイトから正社員へ、身分が変わっても継続勤務期間は通算される

アルバイトから正社員へ、身分が変わっても継続勤務期間は通算される

雇用情勢が不安定な中、当初はパート、アルバイト、有期契約社員などから雇用をスタートして、相当年数継続勤務してきた実績を買われて正社員登用、となるケースがあります。アパート契約や、資格試験などの必要が生じて「勤続年数は?」「勤務年数は?」と聞かれたときに、戸惑うケースがあるようです。

「あれっ?ずっと同じところで働いてるんだけど、最初はバイトだし、そうなると、どこから勤務開始ってことになるんだ?」と、自分でも混乱してしまったりしませんか?

アパートの契約などでは、その職場で賃金を得はじめた期間と、安定して一つの仕事に就いていることが確認できればよいのですから、通算して勤続年数を書いてしまっても問題はないでしょう。資格試験の場合は、実務経験年数を確認しているので、これも同様です。気にかかるのであれば、主催する団体に確認してみても良いと思います。

労働基準法上ではどうなるのか?というと、そもそも、労働基準法には「パート、アルバイト」という言葉はありません。パートアルバイトに相当するのは「短期雇用」、期間雇用については「期間の定めのある雇い入れ」といった言葉だけです。ほとんどのパート、アルバイト、期間社員は、これらの規定のどこかに当てはまることになります(派遣社員の場合は、別に法律があるので、そちらに従います。)

労働基準法の有給休暇規定において、いったん退職してそのまま嘱託として、同じ職場に勤務し続ける場合、継続勤務しているものとみなす、というものがあることから、パート、アルバイトから正社員登用される場合も、同様に身分が変わっても、勤続年数としては、パート、アルバイトを始めたときと解するのが妥当ということになるでしょう。ただし、勤務時間が正規雇用と比べて短時間のときは、有給付与の日数は法律に従って少なくなります。パート、アルバイト時代に使い残した有給があるときは、時効消失の2年以内までは継続して利用することができます。