育児・介護休業期間は年休取得条件の8割以上の労働日に含まれる
有給休暇は労働者が持つ権利の一つです。しかしながら、「働いている人」であれば、どんな仕事ぶりでも同じようにもらえるという訳ではなく、労働時間や労働日数に応じてもらえる有給の日数が変わってきます。
パートやアルバイトの人の場合、労働時間が正規雇用の人よりも少なくなりますから、これに応じて、付与される日数が減っていきます。雇用形態がパート、アルバイトだから、という理由で有給が付与されないということはありません。派遣労働者に関しても、派遣元は有給休暇を付与しなくてはならないという決まりがあります。
労働基準法では、法定労働時間(1日8時間、1週間の労働時間合計40時間)を基礎にして、「入社から6カ月以上連続して勤務していること」「6か月間の労働日のうち8割を欠勤せず勤め上げていること」を基本的な有給付与の条件としています。
ところで労働基準法では、休暇と並行して「休業」という規定も作られています。良く知られているものは、育児休業は、1歳未満のお子さんがいる人が子育ての必要のためにとる休業です。介護休業は、同居家族に介護の必要な人がいるときに利用されます。もう一つ、労災事故に代表される「雇主に責任のある怪我や病気」で仕事を休むとき。
このような休業期間が挟まった場合、休業の期間は労働を行っていないのですから、有給取得の上では「8割を欠勤せずに勤め上げること」という条件を満たせなくなってしまうのでしょうか?
労働基準法ではどのようになっているでしょうか?実は、ちゃんと規定があって、産前産後の休業、育児休業、介護休業、年次有給休暇を取得した期間は、全て通常の勤務が行われたものとみなす、と、労働基準法39条7項で定められています。ですから、休業をしていたからと言って、有給取得要件から外れてしまい、有給が与えられなくなることはありません。
休業期間があることを理由に有給を減らされたり、取得できなかったりする場合は、労働基準法違反にあたります。