妊娠中や出産後は勤務時間中でも健康診査に行ける

妊娠中や出産後は勤務時間中でも健康診査に行ける

結婚・妊娠・出産を経験しながら、仕事を続ける女性は増え続けています。妊娠期間中は、特に心配な症状が無くても、赤ちゃんとお母さんの健康状態を管理するために、定期的に妊婦健診を受けることが推奨されています。妊娠初期から中期は、月1回程度、妊娠後期の前半は、月2回となっています。

また、出産後、産休を早めに切り上げて復帰する人の場合は、健診で仕事を休まなくてはならないという場面が出てきます。

そこで法律は、結婚後、妊娠中に仕事に出てくる女性や、出産後の女性のために、健診が必要な時、休暇を取って一時的に仕事場を離れることができるような制度を設けています。これを、「母性健康管理に関する措置」といいます。これは、雇用形態に関係なく、妊娠中及び出産後の女性すべてが対象になります。パート、アルバイト、正社員、の扱いに区別はありません。派遣労働者の場合は、派遣元、派遣先の両方で措置義務が生じます。

妊娠中及び出産後の労働者は、申し出ることによって、仕事の途中に「通院休暇」をもらって、健診を受けることができるようになります。通院休暇は、母子の健康を維持することを目的とし、あくまでも通院のための休暇であって、昼休みなどの休憩時間や、年次有給休暇とは別に与えなければなりません。有給休暇がたくさんあるから、と言って、雇主側が「有休をとって欲しい」などの指示を女性労働者にすることはできません。(女性労働者側が、自身の都合で有給を昇華したい場合は除きます。)

また、勤務時間中に通院休暇を取ったことを理由に、終業時刻を遅らせて仕事をさせたりすることも認められません。仕事を抜けることで、人員が減って業務が滞るからと言って、残業をさせたりすることはもってのほかで、この制度の趣旨に反します。もちろん、通院休暇を取ったことで、その他の不利益な待遇をすることや、休暇を取らないように指示することも違法行為に当たります。

ただし通院休暇を有給にするか、無給にするか?については、各事業所ごとに、雇主、労働者の両方が話し合って自由に決めて良いことになっています。現実的は、有給のところと、無給のところは、ほぼ、半々程度の割合のようです。